|
ヒマラヤの美しさの陰で〜黒柳徹子のネパール報告〜
【黒柳徹子さんのこと】
黒柳徹子さんがユニセフ親善大使として活動を始めて満25年になります。
その間、視聴者からいただいた募金は45億5千万円を超えました。
ネパールへ取材に向かう前、ユニセフは黒柳徹子さんを表彰しました。
黒柳さんは感謝に応え、次のように挨拶しました。
「命に関わったら途中で止めるわけにいきません。一人でも子どもの笑顔が増えれば嬉しいです。モノはなくても希望があれば、少しの手助けで何とかなります。体が動く限り続けます。」
表彰式には、緒方貞子さんをはじめ、在京の各国大使がお祝いに集まりました。そして、写真家の田沼武能さんとテレビ朝日も感謝状をもらいました。 |
|
|
|
【ネパールの現状】
ネパールはインドと中国に囲まれた内陸国で、農業と観光を中心とした国です。
国土は北海道の1.8倍、人口は約2,900万人。
政治体制は王制を続けてきましたが、マオイスト(毛沢東主義派)との争いが10年以上も続き、国は疲弊していきました。
この争いが続く間に、外貨収入の60%もあった観光収入は20%にまで落ち込みました。
貧しさから、大人たちは国外へ出稼ぎに行きます。インドのムンバイやアラブ首長国連邦のドバイが行き先です。そしてこの出稼ぎ者たちがエイズを持ち込み、大きな社会問題になっています。
2008年、王制が廃止され選挙が行われ、制憲議会が発足しました。
そしていま、懸命に国造りが行われています。
多民族・多言語に加えてカースト制と混在する宗教が国の統治の複雑さの原因となっています。 |
|
※データ
公用語 |
: |
ネパール語 |
識字率 |
: |
約50% |
乳幼児死亡率 |
: |
1,000人あたり62人
(日本は4人) |
国民の平均年齢 |
: |
20,7歳 |
平均余命 |
: |
60.9年 |
|
|
|
|
※宗教
ヒンドゥー教 仏教 などが混在し、国民は信心深い。
ボダナート(チベット仏教の巨大仏塔)は、常に多くの巡礼者であふれています。
|
|
※食べ物
インドと中国に囲まれた国ですから、料理も両国の影響を受けてとても美味しいです。野菜も果物も美味しいです。主な産業は農業と観光。
|
※生活
首都カトマンズは渋滞の街、排気ガスで充満し人々はマスクをして歩いていました。
ゴミの処理がうまくいかず、街にゴミがあふれています。
停電が1日8時間もあり、電力不足が大きな問題です。
街中には野良牛がのんびり歩いています。
ヒンドゥー教徒が多いので、牛は大事にされています。
|
※子どもたち
児童労働が日常化しています。貧しいから働かざるを得ないのです。
少女はメイドになったり、少年は砂の採取場で肉体労働をしたりします。
ユニセフは、働く子どもたちを1日2時間だけ雇い主の許可を得て学校に連れてきて勉強させる取り組みをしていました。
家が貧しいので、児童兵士になった少女にも会いました。
軍隊に入って人を殺す訓練をさせられるのです。
学校帰りに魚の干物を売る少年にも会いました。
|
子どもの半数が栄養失調です。
それでも子どもたちは希望を持っていますから、少しの手助けで、素晴らしい国になると思います。
|
|