生命の短いダイヤモンドの国
 〜黒柳徹子のシエラレオネ報告〜

 放送日:2003年9月28日(日曜日)
        ごご2時から3時25分まで

再放送:第1回 11/1(土)15:05〜16:30
    第2回 2004年元日12:10〜13:35
     朝日ニュースター(CS放送)

【シエラレオネのデータ】

シエラレオネ共和国(Republic of Sierra Leone)。
西アフリカに位置し、人口約450万人。面積は北海道の90%。
平均寿命38.3歳。5歳未満児の死亡率1,000人あたり316人(3人に1人が死亡)。
言語は英語(公用語)他に現地語。
宗教はイスラム教60%、キリスト教23%。
1787年、英国内の解放奴隷を移住させ、首都・フリータウンを建設した。
1991年から軍事政権の腐敗を非難して始まったRUF(革命統一戦線)のゲリラ闘争は大規模な内戦へ発展した。
反乱軍によって、人類史上、見たことも聞いたこともない残酷な人権侵害が行われた。
腕を切る、目をえぐる、子どもを誘拐して少年には麻薬を与えて人殺しを強要し、少女は誘拐されレイプの対象となった。
この内戦は2001年まで10年間続いた。
【内容に関して】

21回目の訪問国は西アフリカのシエラレオネでした。
この国は良質のダイヤモンドを産出します。
その採掘権をめぐる争いが10年にもわたる内戦を一層激しいものにしました。
反政府軍はダイヤモンドを密輸し、その代金で武器を買い、人殺しをしました。
密輸は隣国のリベリアを経由して行われたと言われ、リベリアのテーラー大統領が深く関与したという見方が一般的です。テーラー大統領は最近、ナイジェリアへ亡命しました。
シエラレオネのダイヤモンドはConflict Diamond(紛争ダイヤモンド)と呼ばれ、購入した人は人殺しに荷担したことになる、と言われました。
露天掘りの現場では、内戦が終わった今も、子どもたちが労働力として使われました。
1日の報酬は1杯のご飯だけです。
彼らが見つけたダイヤモンドがボクたちの社会に登場するとき、それは資産価値のある超高価な商品になっています。ボクは彼らが一心不乱に働いている現場に立って、この矛盾に胸がつまりました。
子どもたちが、いつまで経っても、豊にならない構造。ご飯1杯で生き延びるために、学校にも行かないで働かなくてはならない現実。
このような厳しい現実が、今尚、世界中でおこっている事実を多くの人(特に若い人に)知って欲しいと思っています。
 空から見るダイヤモンド採掘現場  子どもたちが働かされています
 発見の瞬間が見たかったんだけど・・・

この内戦では、人類史上、類を見ない最悪の人権侵害が行われたと聞いていました。
それは本当でした。大人たちは両腕を切られたり、子どもたちは兵隊や慰安婦にさせられました。反政府軍の仕業です。腕を切ることは、選挙で投票が出来なくするため、とも聞きました。しかしもっとも悲惨なことは、子どもたちが訓練を受けて、人殺しをさせられたことです。恐怖心をなくすため、コカインなどの麻薬を与えられたそうです。
子どもは、大人にほめられれば何でもします。人をたくさん殺せば殺すほどほめられます。その大人たちは、内戦が終わった今、どこかに消えてしまいました。心に深い傷を負った子どもたちだけが残りました。
15歳の少年は8歳の時から兵隊にさせられました。何人も人を殺した少年は、
「夜、目をつぶると、いろんなことが頭に浮かびます。でもいま、一番会いたいのは、本当のお父さんとお母さんです。」そう言って、毛糸の帽子で目をこすりました。
17歳の女の子は、10歳の時に反政府軍の兵隊に草むらに連れこまれ、レイプされました。それから、ずっと敵に連れまわされ、食事を作らされたり、荷物を運ばさせられたり、労働をさせられました。そしてその間、ずっとレイプされ続けたそうです。運良く、助けられて帰ってきましたが、両親は殺され、親戚の誰もいなくなっていました。
 レイプされ妊娠している少女
大地は緑で覆われています。お米や野菜の生産には十分すぎる雨が降ります。
ヤギや羊も豊富な草を食べて肥っています。海岸線も長く、蛋白源の確保も容易です。
でも、この国の子どもの3人に1人が5歳までに死にます。国民の平均寿命は38.3歳で、世界で最も命の短い国です。10年続いた内戦の結果です。
病院と学校が政府の象徴として集中的に破壊されました。いま、一番必要なものは子どもの命を守る病院と、そして学校です。
ご飯をヤシ油で炒め、芋の葉っぱと小魚のソース、味はカレー味        小学校で     洗濯をする少女

【感想】

松本優子さん

番組を観ました。
私たちは平和に慣れ過ぎて、危機感と言うものに対して、とても鈍感になっているんだと感じました。
内戦地で暮らしていた人々の苦悩を思うと胸が痛みます。
10歳の少女がレイプされる現実に、大きなショックを受けました。私の娘は11歳です。まだまだ子供です。戦地では人としての心が失われるのでしょうか?
残酷な人権侵害に怒りと同時に恐怖を感じました。
平和を願っているだけではなく、平和の為に行動されている田川さんに何時も感動を頂いております。
私にできるのは、気持ち程度の募金です。
いつか、私で何かのお役に立てることがあれば御連絡下さいませ。

直井謙二さん

徹子さんのシエラレオネ報告拝見しました。
アフリカの貧しさは絶望的なところが多い中で、援助があれば何とかなりそうな地域で風景もアジア的ですね。
修道女の話は圧巻でした。

田村照代さん

 どんなに悲惨な過去があっても、子供の笑顔が未来への希望に繋がるということがよく表れていたと思います。そのためにも、そういう環境が少しずつでも整っていくようにと強く願いました。
 世界で一番寿命が短い国・・・それを証明するかのようにお年寄りが一人も映っていなかったことも心を沈ませました。
 しかし、番組の中で流れる音楽が明るいことに救われました。素晴らしい選曲だったと思います。
 暗い過去は過去として、とにかく希望を持って生きて行くことが大切なのだと思います。見ている側にもそれを伝える効果がありました。
 昨夜は偶然にも沖縄を舞台としたドラマも放映され、戦争の無意味さ、国家の方針で国民が翻弄される歯痒さや空しさ、家族が揃っていられる平和の有難さ等々、深く考えさせられた一日でした。
 それにしても、徹子さんの作られていない心からの表情は胸を打ちます。全ての子供を可愛いと感じている様子が素敵です。聞きにくい事を聞かなければならない時の狼狽からも温かさが伝わりました。

美波さん

はじめまして。17歳の美波といいます。
「生命の短いダイヤモンドの国」観させてもらいました。
感想を書きたいなと思い、来たんですがここでよかったのでしょうか?間違っていたらごめんなさい。
実は、用事があって最初の1時間ほどしかみていないのですが、とても衝撃的でした。
おなじような内容の番組は他にもあるのにな、と思いつついつまでも頭から離れません。
もしかしたら黒柳さんが子供たちにインタビューされたのが、印象深かったのかもしれません。
特に、レイプをされ妊娠した女の子は私と同じ年だったのでスゴク身近に感じました。
10歳の頃からレイプされ続けるなんて、涙が出そうになりました。
そして彼女が赤ちゃんについて「女の子がいい」と笑顔で言った時、ホッとしたのと同時にすごいな、と思いました。
わたしが彼女の立場だったら、同じ言葉を言えるかどうかわかりません。
今の私に何ができるのでしょうか?今はそのことだけが頭の中にいっぱいです。
そして、この番組を少しでも観れてよかったと思います。
それと、ちゃんと最後まで見ればよかったとすごく後悔しています。
こんな感想ですが読んでいただいてありがとうございました。

柴田甲之進さん

労作拝見。 徹子さんの大使訪問は今回で21回目になるとは驚きです。
インタビュウにこたえるこどもたちが素直な感性を失っていないことに救いを感じました。
それにしても地球上の富のアンバランスは極限にきていますね。「今世紀はアフリカの時代」の指摘もむべなるかなです。飽食ニッポンができることは沢山あります。日本の修道会の方々の献身的な奉仕の姿もそのひとつでしょう。
いたずらに長寿を誇る日本人が恥ずかしく(自分も含め)思えました。
珍しく産経新聞がラテ欄で大きく紹介していました。

しばざきみゆきさん

お葉書いただき、今日放送拝見しました。
長い内戦の中で子供たちの置かれてきた状況に言葉も出ませんでした。
レイプされた少女たちや兵士として戦わされてきた少年たちの心の傷が少しでも癒えて、あの緑豊かな国が本当の意味で豊かな実りある国になりますよう願っています。
P.S.
レイプと言う言葉を聞くたびにぞっとします。
本当に怖いです。心に黒く大きな穴があいてしまいます。
彼女たちの心の穴が少しでも小さくなりますように。

  石川文子さん

番組拝見しました。
較べて物を言うのは好きではないけれど、昨年のソマリアより、ずっとよかった。
この国は、とても悲惨な国なのに、また映像はとても辛いものなのに、なぜかソマリアの時のような暗く落ち込んだような気持ちにはなりませんでした。
それはなぜかを考えてみるに、この国には色彩が溢れていて、歌があったからだと思います。
(バックの音楽もよかったと思います。)
少年少女のインタビューもわかりやすかったし、彼らも上手に答えていたと思う。
それと全体的に、こどもたちの表情がよかったです。
体重を計られている私の好きな男の子もかわいかったし…。

こうゆう国(ある程度資源や自然にも恵まれた国)は、誰かすばらしい指導者が一人でも出たら とてもよくなるんじゃないかと思う。
それにはやはり、先ず教育の普及からなのかな?
それとテロップの字はもう少し大きい方が読みやすいと思うのですけれど如何ですか ?

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