女性性器切除と捨て子の多い国

     〜黒柳徹子のソマリア報告〜

    放送日:2002年9月22日(日曜日)
            ごご2時から90分
              テレビ朝日系列

再放送スケジュール

朝日ニュースター(cs放送)

12/31(火)22:10〜23:35
1/ 1(水)13:10〜14:35

    (御視聴ありがとうございました。このページの最後にいただいた感想を掲載しました)

ユニセフ親善大使・黒柳徹子さんの途上国訪問は今回で20回目になりました。
 ソマリアは世界で最も危険な国です。政府が無く紛争が続いているからです。
 「出来れば行って欲しくない」と外務省は難色を示しました。
 決断した大きな理由は、現地ユニセフに日本人スタッフがいて、安全について綿密に打ち合わせが出来たからです。
 危険すぎてジャーナリストも行きませんから、報道もされません。
 しかし、ソマリアの現状は、国際社会の関心や援助がないと、自助努力では立ち直れないのです。
 “多くの人にソマリアの現状を知ってもらいたい”
 迎える方も、出かける方も、その一念でした。

ソマリアはアフリカの角といわれる地域にあります。
 (地図の黄色い部分)
首都のモガデシュを中心とした南部は戦闘が激しく、機関銃を持ったガードを4人も5人も雇わなければなりません。狙撃されたり誘拐されたりする危険性があるからです。我々の取材は北部の比較的安全な“ソマリランド”と呼ばれる地域で行いました。

人口630万
国土は日本の1.8倍

遊牧民の国で、ラクダの生産は世界一。その他、羊やヤギなどの家畜の数は人口を上回るそうです。しかし、数年来の干ばつで草の不足とラクダに病気があるといわれ、輸出ができず、外貨収入がなく、経済に打撃を与えています。

【簡単な歴史】
 北部がイギリスの植民地、南部がイタリアの植民地でした。
 1960年にそれぞれが独立し、統一してソマリアが誕生しました。
 紆余曲折を経て
 1980年、バレ政権が誕生します。
 1988年頃から反政府運動が激しくなり、
 1991年 バレ大統領は首都を追われ、内戦状態に突入します。
 1992年 国連が治安維持に活動をします。
 1995年 国連軍は多くの死者を出し、完全に撤退します。
 その後は、対立する氏族の抗争がが続き、世界の孤児になったままです。
 周辺国が和平プロセスのテーブルに着くように説得を続けていますが、氏族集団の利害が一致せず、内戦状態のままです。

【氏族】
 ソマリアには全土を実効支配する政府がありません。
 氏族という集団があり、国民は6集団ある氏族のいずれかに所属しています。
 氏族は下部組織である“支族”に別れ、さらに“ディア集団”(補償集団)に別れます。
 それぞれの集団の秩序に従って生活しています。
 あるディア集団の1人が他のディア集団の人間を殺した場合、加害者はラクダ50頭を相手に渡し、さらにディア集団が50頭を渡します。
 共同責任制度です。
 政府がなくても、なんとか秩序が保たれているのは、この氏族制度のためです。また、統一政府を作る事が出来ないのも、この氏族制度のためなのです。

内戦で破壊された街は放置されたまま
川を掘ると水が浸みだしてきます 飲み水を確保するのは子どもたちの役目です
マーケットは活気に満ちていましたが 野菜と肉以外はすべて外国製品です この国には生産能力がありません

【データ】

 乳幼児死亡率(1歳未満)1,000人当たり132人
  (日本は1,000人当たり4人)

 乳児死亡率(5歳未満) 1,000人当たり224人

 妊産婦死亡率  100,000人当たり1,600人

 小学校就学率  13%
  女子 11%
  男子 15%

 予防接種(1歳未満)
  結核  69%
 三種混合 33%
  ハシカ  16%
  ポリオ  49%

 妊産婦に対する破傷風   24%

 安全な水を飲める人    23%

 トイレを使用出来る人   48%

孤児院の子どもとサッカーをしました     シュートの練習 水飲み場で出会ったラクダを追う少年 


 【大きな問題点】
 番組の中心的話題です。
 女性性器切除(FGM=Female Genital Mutilation)
 ソマリアの98%の女性がこれを行っています。
 4歳から10歳までの間に行われます。
 これを行っていないと、結納金がもらえなかたり、結婚できなかったりします。
 少女は、“早くして欲しい”と憧れを持っているのが一般的です。

 1)クリトリスの包皮、あるいは一部を切り取る。
 2)クリトリス全部を切除する。
 3)クリトリスの切除に加えて大陰唇の内側の壁を削り取り、かつ縫い合わせる。

 この手術は伝統的なヒーラーや産婆さんのような人によって行われます。

 麻酔もしません。
 切れの悪い刃物を使います。
 縫い針がないので、植物のトゲが使われます。
 目隠しをされ、足はくくりつけられて行われるそうです。

 痛みのショック、恐怖から強いトラウマを持つ事になります。
 出血による死亡も報告されています。
 不衛生さから、破傷風やエイズに感染します。
 尿道に障害を与え、腎臓病を引き起こします。
 恐怖から尿が出なくなることもある、という報告もあります。

 結婚して性交時には激痛があるそうです。
 出産時には、産道を数カ所切らないと赤ちゃんが出ないそうです。
 このことが妊産婦の死亡率や乳幼児の死亡率の高さに大いに関係があるようです。

 歴史的起源は記録がないので不明ですが、2,000年前から行われていたようです。
 遊牧民は男性が家畜を追って長い間、家を空けます。その間に、自分の女房が襲われないように、女性の尊厳を守るために始まった、という説明を聞いたことがありますが、定かではありません。
 アフリカには国が53ありますが、28ヶ国で行われています。
 毎年200万人が、日に直すと1日6,000人の少女が犠牲になっています。
 
 数年前までは、このことを話題に出すことすら出来なかったそうですが、ユニセフなどの地道な活動で
 進歩的な婦人たちが語り始めました。
 イスラムの教義とは何ら関係がないこと、医学的に問題があること、個人の承諾もなしに行うのは人権の問題であり犯罪である、など理解がされ始めました。
 宗教指導者や医師など、社会的リーダーが国民を指導する事が必要でしょう。
 法律で禁止している国もあるようですが、絶滅にはほど遠いようです。

【捨て子】
 スラムは不倫を認めません。
 社会が許容しませんから、捨てる以外に方法がないのです。
 道ばたに捨てられて生きて発見される子は幸運です。
 便所やドブに捨てられる子は死んで発見されます。

 

        国内避難民キャンプ    キャンプの家の中でインタビュー

 【援助の失敗】
 オガデン紛争(1977 〜1978)
 エチオピアのソマリアに接するオガデン地方にはソマリア人が住んでいます。
 アフリカ諸国の国境は会議で決められましたから、同じ民族が二つの国に分断されて住んでいる場合がよくあります。
 共産化したエチオピアとソマリアの間で紛争が起き、エチオピアのオガデン地方に住んでいる大量のソマリア人が難民となってソマリアに流入します。
 その数が84万人と言われましたが、実数は40万人でした。
 これは、現地の人(ソマリアに住んでいるソマリア人)が難民登録をしたからです。
 同じソマリア人ですから、分からないのです。
 Aというキャンプで登録があると聞けば、第一夫人を行かせ、Bというキャンプで登録があるといえば、第二婦人を行かせる、と言う風に、現地人が国際援助を受け取って売りさばいて儲けました。
 ソマリア人に自立する力を失わせたのが国際援助でした。
 氏族のボスに“国際援助は儲かる”という考えがあることが、援助や和平交渉を困難にしてます。



御視聴ありがとうございました。
いただいた感想を掲載させていただきます。

南浩一郎さん

 先日、TVでソマリア報告見ました。
子どもを抱けるということは幸せですね。自分の中の純粋さを子どもが鏡映しに見せ てくれる素晴らしい贈り物。

日本でひとりぐらししている自分には子どもを抱くチャンスがほとんどありません。
デパートで走り回る子どもを抱き上げて片手を母親に差し出し「はい、一億円」と冗 談を言いたくなったりします。そりゃぁ親戚の子どもとか友達の子どもとか抱かせて もらえばいいんでしょうけど、そうじゃなくて誘拐犯扱いされずに途行く子どもと手 つないでちょっと歩いたり、自然にちょっと抱っこしたりできる社会にしたいなぁと 強く思います。
地域社会から意図的に距離を置くアウトサイダーにも子どもとの日常的な接触が必要なんだけれど、そのためには、今の日本では親になるか保育士の資格を取り保育所に勤めなければならない。
なぜ子どもと触れ合うだけのことに個人生活を犠牲にしたり「努力」をしたりする必要があるのだろう、おかしいぞ?
 少なくとも日本は「集団・組織・社会」の時代から「個」の時代に急速に移っているのだから、「家族もちになって地域社会に属しなきゃ子ども触らせてやんないぞ」なんつって「個」をないがしろにしてたら滅びるぞといいたい!。もちろん治安との兼ね合いがあるけれど、それでも子どもの存在は全ての人に解放されなくちゃ、と思うのです。

親は自分の子どもを「自分の」子どもだと信じています。当たり前ですが。
「わたしの」家族、「わたしの」子ども、というと聞こえはいいけれど、「わたし の」車、「わたしの」お金、「わたしの」利権というのと何のかわりもない気がしま す。
もちろん家族を持つ持たないは個人の自由だし、子どもを作ることを選択する人がいてくれないと困ります。でも子どもは誰のものでもない。親のものでも国のものでもない。
これはとても大事なことだという気がします。わたしは幼い頃からここんとこがすごくひっかかってました。
「個」を大事にする振りしても、その尊厳を犯されずに育った人など誰もいないから個人の尊厳を大切にできるはずはない。親は子どもの面倒を見る。愛を注ぐことにある期間全力をつくす。自分の子どもであり愛を注ぐ対象だけど「自分の」子どもじゃないという意識を持てたら...自分の子どもの細胞一つ作れる親はひとりもいないのだから。
「自分のもの」じゃなければ執着することもないし。
わたしはわたし。いのちを設計した創造主の所有物ですらない。尊厳を持った存在が わたし。そう思います。


今日初めて田川さんのHPでの報告を見て、そんなに危険な国だったのかと初めて知 りました。
TV画面からは危険のひとかけらも感じ取れなかった自分。
画面をはさんでいてはどんなに「危険だ」といわれても実感できないのでした。
ゆったりしたラクダの表情を見せられては尚更です。コブのタンクの水だけでああい う恍惚とした表情で生きられるラクダ。
現地の人にも飲み水と飢えないだけの食料と人間の尊厳に目覚めるための教育、生き がいを持てる仕事が与えられることを今は願うだけです。

女性性器切除というので子宮を切り取っちゃうのかなと思いきや、クリトリスを切っ て陰唇縫って蓋しちゃうということなんでしょうか。
日本では以前、養護施設で障害を持つ若い女性から子宮を切除することが行われてい たと聞きました。優性思想から。
男の場合、ペニスや睾丸を切除されたという話は聞いたことがありません。オナニー して後始末の手間をかけさせられないように両手をベッドに縛り付けて身動きできな くさせることは精神病院や知的障害者の施設で行われていたと聞き及んでいます。ソ マリアの場合はどうなのでしょうか。
いずれにしても夫が羊を追っている間、妻の女性としての尊厳を守るためというのは あまりにも片腹痛い話。「自分の」女を「やられたくない」男のエゴに過ぎない。ば かばかしいけれど、現実。

清野照夫さん

 タイトルと言い、内容と言い、かなりショックを受けました。
因習とは言え、そこまでやるか! 男の身勝手ではないか!
正直そう思いました。
地球上には様々な因習があるとは言え、尊厳を無視したこのようなことが日常茶飯事に行われていることに衝撃です。
貧しさゆえの因習でしょうが、こうした因習から抜け出すには、外界を知ることと、繰り返し教育をして行く以外にないと思いました。

相変わらず、平間カメラマンの切れがいいですね。
雨どい越しの子供の表情が強く印象に残りました。
黒柳さんもお元気そのもの、アンゴラ取材の時のことが思い出されました。

高木夕子さん

今日、ビデオで「黒柳徹子ソマリア報告」拝見させていただきました。 黒柳さんのように本当に「考えさせられ」て、見終わったあとも腕組みをして、うー んとうなってしまいました。
FGMについてはいつか教室で田川さんから少し教えていただいていましたが、あそ こまで街が崩壊状態のままで食料物資が不足しているとは思いもしませんでした(お 恥ずかしい話ですが、ソマリアがアフリカのどこにあるかも番組を見るまで知らな かったのです。。。)
私は日本の戦争犯罪に興味があって東南アジアをよく訪れるのですが、中東、アフリ カの問題となるとなんだかとても自分と(距離的にも心理的にも)遠いことのように おもえて、難民の子どもの写真をみても、「かわいそうだな」と感じるものの「しょ せん自分にできることはないのだから」と目を背けてきました。
でも、それってただ単に、私が傲慢でケチなだけだったんだなあ、と番組をみて、よくわかりました。
ところで、FGMについてインタビューに応えていたイスラムの指導者という男性た ち、否定的なコメントを言っていましたが、あれは果たして本音なのでしょうか?
それとも、いわゆる「先進国」の人間に対してはそう言っておくほうが良いと知って いるほど、FGMが非難されるべき悪習だということを自覚しているということで しょうかね? しかし、ああいう貧困にあえいでいる状態にもかかわらず、子どもが たくさん生まれている(生ませられてる?)、ということからみても男性 の力が圧倒的に強いのでしょうね。
比較できるものではありませんが、中国の纏足を思い出しまし
でも、FGMが宗 教的な通過儀礼であるぶん、近い将来、簡単になくなるもののように思われません し。。。。ただ、それを施す女性たちが、「他に仕事があればすき好んでやらない」 とコメントしていたのが、救いです。やはりすべての問題の根本は貧困につきるので すね。
明るく、深い知恵をもった民族であるだけに(ある女性が一日でつくったという 「家」のなんとすばらしいこと!)、食料と教育がゆきわたればなあ、と心から思い ます。さしあたり自分にできることは、ささやかなお金を募金することだけです が。。。
黒柳さんの、ソマリアの人々に対する、思いやり深く、また過剰に同情心をあらわさ ない自然な接し方がとても素敵でした(ときどき、みていて嫌になるくらい感情的な リポーターがいますが。。。こいつ、帰国したらすぐ綺麗さっぱり忘れちゃうんだろ うな、という奴(笑))。
これも、たんなる仕事ではなく、ご自分の使命として長いこと携わってきていらっしゃることから来るのでしょうね。
良質な番組を、ありがとうございました。

鴻池良夫さん

ソマリアの番組のご案内をいただきありがとうございました。
あなたのホームページから概略を読み、事前学習をしてから番組を家内と一緒に見させていただきました。
当日の新聞のテレビ欄の見所のところにも高い評価が掲載されておりました。

ユニセフの仕事とは言え、大変危険なところへ命がけで行かれた黒柳さんやスタッフの皆様に敬意を表します。
人間の尊厳、愛、といった最も大切なことがこれまでの番組の中にも、そして今回の番組の中にもしっかりと表現されておりました。

番組を見るたび、宗教、民族、政治の主義主張の違いでいがみ合う結果が平和でなく、破壊と荒廃しかもたらさないことを感じさせられました。
そしていつも弱い人たち、特に子供達や女性や老人にしわ寄せがくるのは何とも悲しいことです。
人間が地上に発生してから、今日まで争いごとの連続ですが人間とは学習体験の出来ないどうしようもない生き物だとつくずく思います。

映像からの救いはいつも子供達の目が純粋で澄んでいることです。
そして将来への夢を持ってもっと勉強したいという意欲です。
今の日本が忘れていることがストレートに胸を突きます。
いろいろ感じさせていただきました。
有り難うございました。
一度お会いしてお話をお聞かせ下さい。

山本明美さん

日曜日の放送見ました。
昨日フラワーアレンジの教室があって、他のみんなの意見も同じようなものだったのですが、女性性器切除の話は、田川さんに詳しく聞いていたせいもあって、少し物足りない感じ(非常識な表現かな?)がしました。
でも、初めて聞く人には充分ショッキングな話かなと思いました。

 アフガニスタンもそうですが、ああいった国の現状を見せられると、単純に、同じ時代に同じ地球に生まれた人間同士なのに、こうも違った状況の中に暮らしている人たちがいる。絶対に自分にも何かできる事があるはずだと、その時は偽善者っぽく 思ったりするのですが、その内毎日の生活の中に忘れていってしまうんですね・・・悲しい事です。
だから、黒柳さんには、まだまだがんばってもらわないといけませんね。

松野和江さん

前年は見られなかったのですが、同じ地球で今起こっていることに心が痛みます。
知らないで過ごすことと、知った上で自分を顧みることは大きな違いがあります。
ありがとうございました。
それにしても、黒柳さんやみなさんのパワーに脱帽です。

岡祟也さん

取り急ぎ、「ソマリア報告」を拝見しましたので、感想を申し述べます。
まず、戦争の愚かさ、むなしさ。それを身にしみて実感しているのは罪もない大衆だということです。
番組の中である女性が「生きているだけでも運がいい」と言っていました。
“絶望からの出発”と考えたいと思います。
今、日本は不況の中にありますが、街中に食物はあふれ、着るもの遊ぶところなど充満し、庶民はそれなりに生活しているのを考えると、為政者の考える平和とはなんだろう?特に途上国と北朝鮮や中国などは未だに上下の貧富が大きく種々の制約もあり、庶民が虐げられていることは間違いないと言えそうです。
そのような世界の中で、ユニセフの仕事は益々重要になってくることは間違いありません。
しかし、現実は“そろそろ上れ富士の山”というところでしょうか?
爆弾作るより弱者に愛の手をのべよと言いたいと思いました。
胸を打つ感動をありがとう。

沓澤謙一郎さん

FGMというのはうわさに聞いたことがありますが ソマリアでほとんどの女性が この手術を受けていると聞いてびっくりです。
長い間の伝統的風習というのですが、背景には男性のエゴイズムがあると思います。
つまり男性が確実に自分のDNAを残すために、女性の不倫を極度に嫌った結果の制度なのかと思います。
これは十字軍兵士の妻たちへの貞操帯を思い出します。
肉体改造による貞操帯なのです。なんと言う残酷な、女性を物体化した風習でしょう。
日本でもつい一昔まで、女性のヴァージニティが重大視されていました。
男どもは自分の婚約者や娘のヴァージニティを保つため公娼制度を作りました。そのため一般の素人の娘は純潔を保たれたというわけです。
新聞によると女子高生の半分弱が経験者とのことです。これは驚くべき数字で、古い人間の私などはなんと嘆かわしいと思いましたが、考えてみると、女性の自己主張が自由で束縛されていない証拠なのかもしれません。

さて貧困の問題ですが、ぼろぼろの家や劣悪な施設を見ていると、本当に胸が痛みます。
いまや世界経済はグローバルな自由主義経済に向かって進んでいますが、これはリッチな国と貧しい国の格差をますます大きくしてゆく、という意見があります。
いまや社会主義が廃れて、自由主義の国、または自由主義への移行を考えている国が多いのですが、自由主義経済は、所得の差を大きくしてしまう傾向があります。
だから日本のような自由主義の国でも累進課税のような社会主義的手法をのこしてあります。
  世界経済でも、このような社会主義的手法を一部に残して、国の間の貧富の差を少しでも和らげる方法がないものかと思います。

  FGMの問題にしても、貧困の問題にしても、国民の十分な教養が解決の鍵です。
 回りくどいようですが、これが解決の一番の近道と思うのです。
黒柳さんがいつも子供たちの教育の場面に重点を置いているのはもっともなことと思います。
以上大変考えさせるテーマーを示していただきましたので、私見をのべさせていただきました。

山田 悠さん

私は、アフリカという国をほんの少ししか知りませんが、アフリカが好きです。
人、自然、生活、伝統、でも、各地では紛争があり、地雷があって、こうしている今、一体何人の子ども達が犠牲になっているかと思うと心が痛いです。
女性性器切除の慣習が今なお続いていることは以前より知っていました。
今回のレポートで実際にどういう内容で実施され、影響がどういうものなのか知ることが出来ました。
私は今、助産婦学生ですが、性器切除を受けた少女たちの痛みや恐怖は想像以上のものだと思います。
女性としての権利が奪われる行為なのに、実施する者もまた同じ経験をした女性ということに、無知識の恐ろしさが伝わりました。
具体的に何をすれば解決できるのか、様々な問題が重なり合って簡単にうまくはいかない現状に無力感を感じます。
でもこうしてテレビを通して伝えてもらうことで、今まで知らなかったソマリアを知り、考えることが出来ます。
どうか、これからも続けていって欲しいと思いす。
黒柳さんと子ども達がカメラに向かって「さよなら」をいう場面に、いつも元気づけられます。
子ども達のために何が出来るか、これからも考えていきたいと思います。

宮内真理子さん

夏実さんに先を越されてしまいましたが、番組、一緒に見ました。
このDoCoMoのメールでどうやって言葉にしていいかわらずにいたのですが、彼女のメールにあったような事を話しながら見ていました。
彼女は文章が上手でうらやましい。
あと私が強く思ったのは、今ある幸せを充分に感じながら生きなくちゃということ。生活に困ったことはないけど、私はバレエ界の中ではずっと孤独で満たされず、そんな自分が悪いと思っていたのですが、田川さんとの出会いや最近の夏実さんとの関係を通して、今までの自分を肯定できるようになって来ました。
子供達はみんないろいろな可能性をもっていても、教育がされなければ、芸術も文化も知るわけないんですよね。
私は音楽や踊りの楽しさを知っていて、自分が表現する立場にいられる。田川さん、夏実さんとこれから新しい何かをつくっていくのが、ますます楽しみになりました。
私に出来ることは、募金と、直接は関係ないけど、やっぱり踊りで何か伝えることだなあと再確認した感じです。
上手く言葉にならなくてごめんなさい。

高柳洋子さん

何時も、ユニセフの番組を見た後は、私は日本に産まれて良かった・・・(不満 は色々ありますが)と思っていたのですが・・・今回は、痛切に、ソマリアに産まれなくてヨカッタと思いました。
私は前もって、デイリーの本を取り寄せて読んでおりましたので、はじめてTVを見た方より良く事情を知っておりましたので、余計に、無知・貧困の恐ろしさを、腹立たしく、怒りながら見ました。
そして、田川さんの、円形脱毛症もこの番組の、表現の難しさゆえに出来てしまったのだろうと思いました、ご苦労様でした。
で、私達(私や友達)が、幾ら怒っていても、ソマリアの、法律でも出来ないと駄目なんだろう、国が豊かになり、皆の認識が変わらないと悪しき習慣はなかなか無くならないのではと、話し合いました。
北朝鮮の問題も、この問題も、最近は無い頭でも考えさせられる事が多くて困ります。

安藤宏幸さん

性器切除はショックでした。
高校2年の娘も観て、私同様ショックを受けていました。というより、怒りのようなものを感じたみたいです。
人権とは何なのでしょうか。平和とは何なのでしょうか。私たち日本人は、平和の中で安住してしまっている。世界には、まだまだ人権なんで考えられない国があることに、娘は改めて驚いていました。
私たちにできること、遠い国のソマリアの人々に対して、今、私たちができることから始めてみたい気持ちになりました。
私は教員ですが、こんな現実があることを、子どもたちにも伝え考えさせていきたいものです。
子どもたちにも、ソマリア報告を視聴するように伝えていました。子どもたちがどんなことを考えたか、感じたか早速聞いてみようと思います。
私たちだけが、平和であったらいけないのです。みんなが平和を享受できなければならないのです。
本当にすばらしい報告ありがとうございました。

山口夏実さん

つらい事実でした。
ワリスの本で多少勉強しておいてよかったです。より強くメッセージが伝わったと思います。
そして施術の女性達、受けさせる母達、施術を非難するイスラム指導者などの話を聞き、全てお金のためという現実にもはがゆさを感じます。
ただ、どうにもこうにも女性に分が悪い構造と子供が犠牲になることには見過ごす事はいけないと強く思いました。
何が出来るというわけでもない無力ですが、ささやかな募金と常にアフリカの現実から目をそらさない心を持ち続ける事で、地球に共存する人類でいたいと思います。

脇田貞美さん

田川さんからの予備知識があり、しかもディリーの著書を読んでいたので、どこをどんなふうに切除するかを私は想像しながら見られたのですが、通常の出産時にする麻酔なしの「切開」とどれほどかけ離れた行為かが伝わっただろうかと思いました。
対象そのものは映さずに、事実を伝えるということの難しさを感じました。

正木 鞆彦さん

僕のアフリカ体験はケニア・タンザニア・エジプトだけですが、無政府状態と言われるソマリアの映像に息を呑みました。
僕の見たどのアフリカよりも絶望的でした。
 女性の性器に関する風習は何で止められないのでしょう。
術者の金儲けのためというインタビューに胸を突かれました。このような地域にはそれこそ文化革命を起こさなければならないと思いますが、それが日本人の発想による文化革命で良いとは到底思えません
それでは誰がこの現状に手をつけるのか?難しい問題ですね。
一つ誤ればアメリカみたいな単純で浅薄な正義感だけでおせっかいするようなことになりかねませんものね。
とっても迂遠な方法ですがやはりソマリアに教育を根付かせるしかないのでしょう。そして彼ら自身に革命を起こさせるしかないと思います。
 この番組をビデオに撮りました。
田川さんのその後の活躍レポートとして僕の学生に見せることにしました。感想は直接田川さん宛のメールで送るように言います。
 連休のぼやけた頭にまさに一撃喰らったようなショックでした。
饒舌でないいつもの「田川調」が乾いた画面に冴えていました。田川さん有り難う。

梶 文彦さん

もう、20年ほど前?になると思いますが、ある番組でやはりアフリカのどこかの国で、男児・女児とも、10歳くらいになると、男児は割礼を、女児は処女性を奪う(器具で)……風習のあることを紹介していました。
割礼を行なうナイフは、今回でも紹介されたような錆びたナイフだったり石で作ったメスだったりする。同様に女児があう処置も同じ状況でした。
川の中で行なうので、川を血が流れる光景などが移されていました。

これをみて、ひどい処置と思いましたが、今回のものはそれ以上ですね。
なぜ、こういうことが今でも行なわれているのか、親の意見を聞いてみたいなあと思いました。
これをすすめるのは、母親でしょうか、父親でしょうか?
 施術者の金儲け、伝統という以外に、なにか決定的な理由があるのか、それが気になりました。
見終わった後、背景などをきちんと知りたいと思いました。
こういうのが関心をもち始める第一歩なのでしょうね。
番組ではあそこまでよく生かした……と思います。編集に拍手です。
黒柳さんもこの苦行が何時まで続くか、ちょっと心配になりました。

田村照代さん

なんて切なく、なんて不条理な仕来たりがあるのだろうかと思いました。
人権を無視した無意味な伝統。その痛みを想像するだけで鳥肌が立ちます。
きちんとした政府ができ、誰もが悲しむことのない社会になって欲しいと思います。
他に収入の道がないから、仕方なくその施術者になっているというのは、虚しく、心痛むことです。しかも何の医療設備もない所で!!!
多くの人がこの現実を正しく知りますように。
私達一人一人の小さな気持ちが広がって、きっと形になりますように。
希望に繋がります様に。

そんな風につらい場面が殆どではあったもの、無邪気な子供の笑顔や元気な歓声、そして徹子さんがいろいろな場でちょっとしたことに感動する姿に安堵しました。
悲壮感だけに終始せず、未来に目を向けて人々に接する姿勢に感銘を受けました。

池谷亜未子さん

 毎回、あのようなまずしく危険な国をレポートし、番組にするのは本当に命がけですね。
私達がお会いする時はいつも穏やかでにこにこしていらっしゃるのであまりピンとき ませんが実際に現場で死と隣り合わせで仕事をなさっていることを改めて分かりました。
また是非、番組PRをメールして教えてください。

広淵升彦さん

 昨日たしかに番組を拝見。いつに変わらぬエネルギッシュなお仕事ぶりに敬意を表します。徹子さんの訴えは心に響くものがあります。

今後の注文というか希望としては、「なぜこうした悲惨があとを断たないのか」をも う少し掘り下げて欲しいということです。
教育の不在, 部族があって「国家」観がない悲劇、力が伴わないのに独立した咎めなど、戦後の日本のマスコミの価値観(過剰なるヒューマニズム)に反することがその原因になっていると思います。
そこまで言及するのは番組の趣旨ではないでしょうが、ヒントだけでも提供しなと、何年たってもこの悲劇は終わらないでしょう。
できればこのシリーズが、世界のテレビ局に購入されるような、国際性を持った番組に育ってほしいです。
そのためのさらなるご活躍をお祈りしています。

石川文子さん

女性達が印象的でした。
常識内を逸脱していると一部の方が仰る質問内容は、番組の流れやその場の状況からは突出しておらず不自然な印象は全く受けませんでした。
いかんせん、その質問内容が一部の人の顰蹙をかったとしてもそれはそれで成功だと思いました。
例えは悪いかもしれませんが、弱い立場の人達の主張がテロぐらいをもってしないと認知されないように、常識内で物事を主張しても人々の記憶には残らないと思うからです。常識を突破した時、次の扉が開かれるわけだしね。
制作された田川さんを尊敬します。

Mr.Nick Ooka

This is Nick! How are you doing? It's been a long time, hasn't it?
I was informed by one of ini's students that your program was on today so I just finished watching it.
It was very interesting!
It's sad to know that many parts of Africa are still sufferingfrom war and poverty. Also, the FGM problem was somewhat shocking.
It's terrible to think that women have to go through such pain for the sake of tradition and religion... Once again, congratulations on producing another fine program.

(ニックです。お元気ですか?ずいぶん久しぶりですね。ボクは英会話教室の生徒から今日あなたの番組が放送されることを聞き、いま見終わったところです。とても興味深いものでした。アフリカの多くの国々が、まだ戦争や貧困で苦しんでいる事を知って悲しく思います。また、女性性器切除にはショックを受けました。伝統や宗教のために、女性たちがそのような苦しみを受けなければならないことを考えると、身の毛がよだちます。もう一度、あなたの素晴らしい番組におめでとう。)

 

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