黒柳徹子のユニセフ緊急報告
〜世界一新しい国 アフリカ・南スーダンの危機〜

黒柳徹子のユニセフ緊急報告〜世界一新しい国 アフリカ・南スーダンの危機〜

黒柳徹子さんがユニセフ親善大使に就任したのは1984年、今年で29年目、視察に訪れた国は30ヶ国になりました。募金総額49億円。

【南スーダンの基本情報】

面積 国土は日本の1,7倍
人口 約1,000万人
識字率 27%
宗教 キリスト教

世界で最も新し国です。2011年7月にスーダンから分離独立しました。スーダンでは、2005年までの20年間内戦が続きました。独立してまもなく2年になりますが、教育や医療の整備が遅れ、子どもたちが大きな影響を受けています。以下の統計がこの国の苦悩を物語ります。

医師 人口8万人に1人
教師 生徒117人に1人
出産 年間30万件に助産婦12人
乳幼児死亡率
(5歳未満)
1,000人当たり105人、日本では4人
  MAP


就学適齢期200万人の子どもたちが、学校に行っていません。小学校に行った子どもで修了する児童は約1割、小児病棟はベッド一つに入院治療が必要な子どもが3人いるという状態。

病院で順番を待つ親子   病院で順番を待つ親子


内戦中は、ゲリラ(神の抵抗軍=LRA)の活動が激しく、子どもたちが誘拐され、子ども兵士にさせられ、人殺しや略奪などの手先として使われました。彼らの心の傷はトラウマとなり、現実社会への復帰が困難な状態です。彼らの心のケアもユニセフの重要な仕事になっています。「トットちゃんセンター」は、こうした子どもたちをケアする専門の施設です。黒柳徹子さんは1993年にスーダンを訪問しました。その時集まった募金をスーダンのユニセフに送りました。そのお金の一部3千万円を使って1996年に設立されました。いままでに2,000人以上の子どもたちを支援し社会に送りだしました。

トットちゃんセンター   トットちゃんセンター



 クリストファー君(現在28歳)が黒柳さんへ語りました。 「11歳の時、ゲリラに誘拐され、ひどい仕打ちを受けました。脱出を試みましたが、2回失敗、3回目にやっと成功しました。ジュバの街を彷徨っていたとき、"トットちゃんセンター"のポスターを見ました。ここへ行けば何とかなると思って駆け込みました。所長さんが親切に話を聞いてくれ、ボクは立ち直ることが出来ました。学校へ行き、大学まで行きました。現在はIT企業のガードマンをやっています。この"トットちゃんセンター"がなかったら、今のボクはありません」
  クリストファーと黒柳さん


これは、ほんの1例ですが、視聴者の皆様の募金で出来た"トットちゃんセンター"は、傷ついた沢山の子どもたちを救っています。ディナ・アニーサ(22歳)は12歳の時、ゲリラに誘拐され、19歳までの7年間、拘束されました。その間、2人の子どもを産まされました。脱出に成功した彼女は、母の元に戻りました。娘は死んだと思っていた母は大喜びし、誰の子か分からない二人の孫を大事に生活していました。

ディナ一家   ディナ一家


内戦を逃れて周辺国(中央アフリカ、コンゴ、エチオピア、ケニア、ウガンダなど)へ難民となって流出していた人々の30万人が帰還を果たしましたが、まだ多くの難民が帰還しつつあります。「Way Station」は彼らの一時的な滞在場所です。水や衛生の提供、予防接種などを行っています。ハヤット・バキットさん(40歳)は、9人の子どものお母さん。ハルツーム(スーダンの首都)から2年かけてここへ到着しました。
2歳の子どもを抱きながら黒柳さんのインタビューに答えてくれました。面白い事が起きました。

黒柳さん「子どもが9人!!」
お母さん「あなたは子どもがあるの?」
黒柳さん「結婚していないので子どもはいません」
お母さん「じゃ、この子を上げましょう」

二人は大笑いになりました。逞しいお母さんに、黒柳さんは「この大らかが、困難を乗り切る力ないなっているのね」と感心していました。
  豪快に笑う母


写真集「南スーダンの子どもたち」

南スーダンの子どもたち 南スーダンの子どもたち 南スーダンの子どもたち
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