ドキュメンタリー作品
風の博物誌
神様の息吹
(Heaven's Breath)
1996年8月19日(月)〜22日(木) 昨年4夜連続で放送した作品です。
第38回科学技術映像祭で
グランプリを受賞しました!
この賞には次の5部門があります。
「科学教育」
「科学技術」
「医学」
「学術研究」
「ポピュラーサイエンス」
「風の博物誌」はポピュラーサイエンス部門に入賞し、更に、各部門賞15作品の中で最高のグランプリ(内閣総理大臣賞)を受賞しました。
授賞式は4月18日でした。
再放送決定(1話・3話のみ)
4月29日(火曜日・みどりの日)
14:55から16:50まで
受賞の言葉 |
田川さん、昨日受賞作品の再放送を拝見しました。
最初見た印象より何かおとなしい感じに見えました。最初の放送の時に受けた印象が鮮烈すぎたのかも知れません。しかし、民放のテムポとはちょっと違うゆったりした時の流れのようなものを感じたのは、新しい発見でした。
僕も喜望峰の風とか、アラスカのマッキンレーおろしとか、サハラの熱風に身を晒した経験があります。
田川さんのお作りになった番組を見ながら、僕は僕なりに僕の体に残った風の感触を想い出していました。
まだ若かった頃、アメリカを貧乏旅行していた時、アリゾナの砂漠の町でグレイハウンドのバスが故障してしまって名も知れぬ小さな町のガソリンスタンドの2階がモーテルになっている所に泊まった経験があります。不思議なことに其処では英語が全く通じず、全部スペイン語でした。バスの乗客も大半はメキシカンなのでしょう、飛び交うスペイン語の中で、妙に孤独感がひしひしと迫って来ました。その時、僕ははじめて実物のダンブリング・ウィードを見たのです。砂漠の熱風に吹かれて転がりながら、たちまち僕の視野から消えていったあの草に、僕は人生が自分の思い通りにならないということや、世間の風に流されて漂泊することに悲哀と憧れに似た複雑に屈折した感情を抱く、青年期特有のセンチメンタリズムに浸っていたようでした。あれ以来、あの草を見ると甘酸っぱい青春の想いがこみあげてくるのです。ゆくりなくも、田川さんの作品を見ながら僕は僕の青春を蘇らせていたようです。
テレビの見方には、こんな勝手な見方もあるんですね。しかし、テレビがふと人生を振り返らせるよすがになるってことは素晴らしいことじゃありませんか。
田川さんの作品から得た多くの知識より、僕は田川さんの作品が持つ人の心をゆり動かす力に酔いしれました。
感情過多の思い入れの多すぎるドキュメンタリーや、ドラマならいざしらず、どちらかと言えば科学番組に近い手法でつくられながら、この番組の持つある種の「深み」に心地よくはまって過ごした2時間でした。田川さん、素晴らしい番組を本当にありがとう。マサキ
時々覗く陶器屋さんに、心のとても綺麗な少女がいます。きょう、その子が「風の博物誌」を見たと言い、凄かった、チョベリグと目に涙を浮かべて語っていました。
テレビっていいなあと、あらためて思いました。もう一つ二つテレビに歴史を残してください。
以前、黒柳さんの番組でも打たれました。
私も孤児でしたので、世界で苦しんでいる子の一人でも何らかのお役にたちたいと、お手伝いの片すみに参加しています。
人の心を正して下さる番組を作って下さって本当にありがとうございました。
関係者の皆様にもよろしくお伝えくださいませ。
心より拍手申し上げます。